繊研新聞記事(上)

2015.1.22

2015年1月19日と21日、弊社社長のインタビューが、繊研新聞に掲載されました。

以下に全文を転載します。


茨城県ひたちなか市を拠点に、千葉、栃木、新潟、神奈川、埼玉で27店を運営するフクダ(福田勝也社長)。07年にヤングSPA(製造小売業)の手法を取り入れ、韓国と中国での生産によるオリジナル商品を拡大。同時に郊外大型SCへ多店舗化してきた。しかし、3年前にオリジナル戦略から一転、メーカー仕入れ重視へ再度切り替え、ミセス向けのライフスタイルショップへ転換を進めている。


同社が急成長したのが07年から。「顔は1点売り切りの品揃え点、体質はSPA」の仕組みを構築し、出店では関東、北は宮城、新潟まで30店規模まで拡大した。

同年に家業を継いだ福田社長が「SCで戦うためオリジナルを作る」と、中国・韓国での生産に踏み切り、3年間でオリジナル35%、OEM(相手先ブランドによる生産)30%、仕入れ35%を”ミセスの黄金率”としてきた。

客がSPAに飽きた

しかし5年経つと、客と従業員に異変が起こった。平日、ある客が「この服は週末いくらに値下げするの?」と聞いてきた。セールを見越した値付けを客は感づいていた。さらに従業員は、「納品で箱を開ける楽しみが薄れました」という。実際オリジナルは売れ筋追求となり、他社と同質化していた。「これまでマネジメント、効率化、収益ばかりを考えていた。これでは大手に勝てない」。

そこで12年、価格と品揃えで客と向き合う"専門店の使命"に立ち返る。秋冬物からバイヤーはメーカーを1軒1軒回り、こだわった面白いモノを探すことに力点を置いた。オリジナルで生産する方向もあったが、「客目線で見ると、メーカーの方が力が上だったし、いち早く商品を発掘できる」としてメーカー仕入れを拡大した。東京本部はこれまで「客を見る」観点から青山、有楽町に事務所を構えていたが、メーカー巡りに力点を置くため14年に千駄ヶ谷に移転した。

生活を彩る提案へ

主力業態「プリムローズ」も12年秋からリニューアルを掛けた。当初は雑貨、食器、インテリア小物などを客数の多い3店でコーナー展開したところ、全く売れずじまい。そこで13年春は、ある女性キャラクターを設定、地方に住むミセスに理想の上質ライフスタイルを具体化する売り場を表現した。特に生活雑貨はコーナーではなく、洋服と混ぜる形であちこちに散りばめた。

それが客の記憶に残るのか、店内滞留時間がこれまでの4倍となった。「地方は基本的に人が少ない中で、洋服や服飾雑貨だけでは厳しい。生活を彩るインテリア生地・小物まで揃え、"憧れを満たす"ことが専門店の役割と実感した」という。

品揃えは仕入れが60%、オリジナル40%へと逆転。1シーズンのSKU(最小在庫単位)が3倍の1500へと急増し、バイヤーと店スタッフの忙しさは増えたものの、客の喜びようが明らかに変わったという。

繊研新聞20150119.pdf